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理事長コラム

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目が離せないトランプ関税騒動。日本でもインフラコスト上昇の恐れ

アメリカでトランプ政権に移行して関税問題が大きな騒ぎになっていますが、特にカナダとアメリカでは貿易戦争が始まったと言われるくらいです。
 カナダとアメリカではこれまでUSMCA協定で関税無しで自由貿易が行われていました。ところが今回カナダからアメリカへの輸入品に一律25%の関税を掛ける、一方でカナダ政府も強硬に対抗する構えで、アメリカからカナダに入る物品に25%の関税を掛ける。中には石油やエネルギーなどの輸出を止めてしまえという強硬意見もあるくらいです。
 カナダが電力の輸出を止めれば。アメリカのオハイオ州に匹敵するエリアが停電する。石油を止めればアメリカの全消費量の25%が消える。その他、ニッケル、レアーアースなどを止めれば、アメリカの多くの企業が立ちいかなくなる。ウラニウムを止めれば、アメリカの原子炉が停止するかもしれない。アルミを止めれば自動車産業などが止まる。天然ガスを止めれば、かなりのエリアで暖房が無くなる。カナダは資源のスーパーパワーと言われるくらいで、アメリカはカナダから多くの原材料・エネルギーを安く手に入れて繁栄してきました。
 カナダからアメリカに多く輸出されているこれらのエネルギー資源に高い関税を掛けたら、アメリカ国内の物品は高くなって、さらにインフレが進んでしまう。さらにその高くなった製品を輸出しようすると、さらに高いものになってしまう。論理的にも高関税は合理性がなく、破綻しています。
 カナダではアメリカ製品の不買運動が始まっており、アメリカの酒類も店頭から消えています。
 ウォールストリートジャーナルは、「トランプの貿易戦争は歴史上、最も愚かな戦争になるだろう」と断じています。
 アメリカとカナダの貿易は、世界でも群を抜いた量で、両国の輸出入バランスは石油を除けばほぼ均衡状態にあります。
 一方でカナダはアメリカに代わる天然資源の買手を開拓していて、天然ガスはヨーロッパやアジアへ輸出しようとし、石油も同じで、ヨーロッパ、アジアに供給する道を探っています。ロシア産の天然ガスに代わる流れです。
 カナダのオンタリオ州では日本企業と一緒に原子力発電所を増設。ケベック州の巨大な水力発電所と共に、自前のウラニウムを使った原子力発電で、かなりの電力を賄い、余剰分をアメリカに輸出している。
 オンタリオ州知事はかなり怒っていて、アメリカの脅威がなくなるまで徹底的に戦うと宣言しており、オンタリオ州からアメリカに輸出している電力の価格を25%上げた。これはアメリカの150万世帯の電気代が25%上がることになります。ケベック州も輸出している電力料金を上げる可能性があり、上げるとアメリカ北東部の州の全域で電気代が25%上がる可能性があると言われています。こうしたことが世界の各地で起こり、世界は混沌としていくだろうと思われます。
 それでアメリカの株は随分下がっています。アメリカ人の多くはリタイア後の資金にするために401Kという株式投資をしており、それが下がると大騒ぎになります。
 こうしたトランプが仕掛けた、荒唐無稽な関税戦争が起こっているので、日本も自動車関税など何らかの影響は受けるだろうとみていますが、ある程度はっきりしてくるのは4月〜5月になるのではないでしょうか。

新製品減る傾向に合わせ売場の生産性向上を

 報道によると、わが国では食品の新製品が5年前に比べ、2割減っているそうです。その理由は物価高で、生産や物流のコストが上がっていることと、新製品を出しても売れないから、開発数を減らして売れ筋だけに絞るという傾向になっているようです。
 これまでは販売側がいろいろ要望を出して面白い商品を作ってもらい、新商品として発売するということでしたが、今は食品メーカーがお客様のニーズを良く見極めて絞って出すようになってきています。それは良いことで、今年の春夏は販売側も商品の絞り込みを考えないといけない。猛暑に向けて新たに商品政策を考えないといけないが、メーカーが商品を減らしてきているので、仕事の簡素化がし易くなります。
 多くの商品を入れ替えながら売っていこうという考え方よりも、少し商品を絞り込んで店内の生産性を上げるという考え方です。そのいいチャンスではないかと思います。
 そして猛暑に備えたマーチャンダイジングをしっかり考える。
 4月になると賃上げの状況が見えてきます。物価の上昇に追いつくかどうかが話題になってきますが、おそらく物価の方が賃上げを上回るでしょうから、倹約志向は依然として強まる。だから価格を意識した売り方が大事になります。加えてゴールデンウィーク前だから、それに備えて倹約しようという意識が働き易くなります。
 そうしたことから、ともかくロスを出さない、オペレーションコストを下げる、という方向で動いて、ゴールデンウィークのハレの日商戦に向かうようにして頂ければいいのではないかと思います。
 これまで何となく商品が増えてきて、商品の絞り込みが難しい時期が続いていました。しかし今はメーカー側で絞り込んでくれるので、絞り込み易くなったという風に思います。
 商品を絞り込んで生産性を高めながら少し安い商品を並べつつ、お客様にとって買い易い店を作るということではないでしょうか。

スマホアプリで英会話学習できる時代に

 多くの企業にとっては3月はスタートの月、期の初めなので、人材教育をどのようにするのかを考えるチャンスです。
 昨今は英会話だけでなく、韓国語など様々な外国語をスマホのアプリで学べるようになっています。
 これからインバウンド客の更なる増加が予想され、外国語を知っておく事も必要ですし、頭の刺激としても良い機会になるのではないでしょうか。
 今更英会話かなどと思わないで、新しい学びができる機会と前向きに捉えて欲しい。語学アプリを探すと無料で学べるものも多い。若い人だけでなく、シニアの方も手軽にできる環境が整っています。語学ソフトには「Duolingo」(英語、韓国語等)、「Quizlet」(単語カード)など様々な言語に対応したアプリソフトがあります。
 例えば「Duolingo」では、その人のレベルに合わせてカリキュラムを組んでくれる。これまでの英会話教室では、講師がいて話しながら学んでいましたが、スマホで例文を読み発音して、OKなら次の例文に進む。英語の発音を日本語に訳したり、日本語を英文に訳して発音するという問題もあって、全問クリアすると次の段階に進む。1段階大体10分くらいなので、隙間時間をみて学べる。リアルの英会話教室と違って、場所、時間など自分の都合に合わせて勉強できるというバーチャルならではの便利さがあります。
 自らのスキルアップのため、視野を広げるためにも一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。